牧野研究室

タッチパネルにも使われている半導体の研究

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タッチパネルにも使われている半導体の研究

牧野研究室では、導体と絶縁体の中間の性質を持つ半導体を酸化させた酸化物半導体について研究を行っています。その酸化物半導体を薄くしたものを酸化物薄膜といい、スマートフォンなどのタッチパネルなどに利用されています!牧野研究室では酸化物薄膜を研究することで、コンピュータや周辺装置の機能向上や新機能の創出を目指しています。

タッチパネルの原理

タッチパネルは保護フィルム、透明導電膜、ガラスの三層からできています。透明導電膜は電気を流す役割を担っています。人の指が持つ電荷と透明導電膜が持つ電荷が引き寄せられることにより、タッチパネルが反応します。



世界に数台しかない珍しい装置

スパッタ成膜装置は透明導電膜を成膜し、XPSは透明導電膜にX線を照射することでサンプルの電子と材料の状態を調べています。XPSとスパッタ成膜装置が一体化になっているため、成膜して直ぐのクリーンな表面の様子を調べることができます。この装置では酸化物薄膜にX線を当てることにより、酸化物薄膜の状態を調べています。世界に数台しかない珍しい装置で研究をすることができます。


ガラスの上に成膜された酸化物薄膜

成膜された酸化物薄膜は透明で透明度が薄膜の純度の高さを示しています。薄膜が緑色と赤色に見えますが、薄膜に色は付いていません。光が薄膜に入射した時、薄膜の内部と表面で反射し2つの反射光が重なり合います。2つの反射光の位相が一致すれば強めあい、ずれると弱めあいます(光の干渉)。自然光は様々な色の光が合わさっており、薄膜で反射すると強め合う色の光、弱め合う色の光が存在するため、薄膜に色がついて見えるようになります。また、左右の薄膜で色が違うのは、薄膜の厚さの違いによって、干渉する色の光に差が出るからです。 
※左の薄膜の厚さ 600[nm]
※右の薄膜の厚さ 230[nm] 


オープンキャンパス体験授業

オープンキャンパスでは体験講義により、透明な酸化物薄膜を利用したタッチパネル作りが行われました!講義半分、実験半分といった具合で行われ、学んだことを直ぐに実践できるようになっていました。本来ガラスは電気を通しませんが、酸化物薄膜をガラスにのせることにより、電気が流れるようになります。これを利用してタッチパネルを作ります!体験講義に参加した学生たちは、ただのガラスに見えるのに電気が流れてる!と釘つけになっていました!!