李研究室

光を電気に変えるエネルギーの研究

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李研究室では、主に酸化亜鉛薄膜について研究しています。酸化亜鉛薄膜とは、半導体の一種であり、酸化させた亜鉛という金属をナノメートル(10億分の1メートル)の薄さにしたものです。酸化亜鉛は安価で優れた性能を有するため、新しい半導体として実用化が期待されています。その酸化亜鉛薄膜を実用化に向けて、成膜して評価することを研究内容としています。

電子顕微鏡による解析

成膜した酸化亜鉛を電子顕微鏡で観察します。走査型電子顕微鏡は放射線の一種である電子線を試料に当てて表面を観察することができます。約40万倍まで拡大して観察することができます!



成膜された酸化亜鉛の観測

電子顕微鏡を操作している時の様子です。通常の顕微鏡と違ってパソコンを用いて電子顕微鏡を制御し、検体を観察しています。
上の写真は成膜した酸化亜鉛を5万倍、下の写真は4万倍に拡大して観察しています。何本も柱のようになっているのが酸化亜鉛です。酸化亜鉛の結晶の形や粒子のサイズなどのナノ構造を調べることで酸化亜鉛薄膜を評価します。


透明な太陽電池への応用

酸化亜鉛薄膜は新しい太陽電池に応用することができます。通常のシリコン太陽電池は、太陽光の可視光域を主に利用しています。シリコン太陽電池の発電効率は良いですが、黒く見えるため、景観上どこでも設置することが出来ません。しかし、酸化亜鉛を用いた太陽電池は紫外線のみを吸収し透明であるため、ガラスに貼り付けることが出来ます。そのため、都市景観に影響を与えず、大面積太陽電池を作ることが出来ます!また、低コスト、低エネルギーで生産できるため、大量生産を見込めます!



オープンキャンパス模擬実験

オープンキャンパスでは、フォトルミネッセンス(PL)装置という機械を使って酸化亜鉛の状態を調べる実験が行われました。フォトルミネッセンスとは、光を使って酸化亜鉛などの半導体の状態を調べる方法のことです。この装置ではレーザー光を放つことが出来、観測物にレーザー光を当てている様子を観測することが出来ます。酸化亜鉛にレーザー光を当てると、エネルギーが高い状態になり特定の光を放ちます。こちらが実際にPL装置を用いた時の写真です。このようにレーザー光を当てられた酸化亜鉛は様々な光を放ちます。酸化亜鉛の酸素が多いと赤色、酸素が不足していると緑色、亜鉛が不足していると青色に光ります。何かが不足しているから駄目なわけではなく、その状態に合った応用がされます!李研究室では、このような光に反応する素子やエネルギーについて学ぶことが出来ます!