--------------------------------------------------------------------平成17年度 名古屋大学太陽地球環境研究所 研究集会 「超高層発光現象に関する研究小集会」 研究集会の目的・内容と、期待される成果 -------------------------------------------------------------------- 研究集会の目的 太陽地球環境研究の対象のうち、中間圏・熱圏・電離圏におこる、超高層 発光現象(オーロラ・大気光・流星・スプライトなど)は、近年の撮像観測 機器のめざましい進歩により、専門研究者はもとよりアマチュア天文家等の 観測でも捉えられる機会が急速に増えてきた。更にスポラディックE層、F AI(沿磁力線擾乱)などの電離圏現象についても、アマチュア無線家などの 間では広く知られており一般の関心が比較的高い。 希少な現象や広範囲・多地点の観測が重要な現象では、アマチュア機材に よる観測も重要な役割を果たすことが期待され、昨年度開催された研究集会 においても幾つかの成果が報告された。しかし重要な研究対象や観測手法に 関しての知識が市民観測者に十分に伝達される機会はまだ数少ない。 太陽地球環境の研究に携わる研究者が、前述のような市民観測者を交えて 研究分野の概説的講演を含む形式で研究会を開催することにより、科学的に 意義ある観測を行なうための情報交換が可能となる。市民観測者が太陽地球 環境現象に関する観測を始めたり更に研究として重要な観測に深めるきっか けを作り、研究の裾野を広げることが本研究会の目的である。 -------------------------------------------------------------------- 研究集会の内容 以下に例示するような内容にて、研究者からの講演を含む形式で、研究者 と市民観測者、教育・報道関係者との意見交換・相互理解を深める内容の研 究会としたい。必ずしも最新の研究成果のみを議論する場ではなく、比較的 廉価な機材で実現可能であり、かつ科学的価値を有する観測について議論す る場としたい。 1.超高層発光現象のレビュー講演 中間圏・熱圏・電離圏における発光現象・電磁気現象の概説 2.アマチュア機材による観測例・今後期待される観測 低緯度オーロラ・大気光等の光学観測 高高度放電現象の光学観測および電波観測 流星関連現象の光学観測および電波観測 3.裾野を広げる研究課題の提案 超高層発光現象の多点同時観測 各種キャンペーン期間におけるバックアップ観測 蓄積された観測データの相互利用に向けて 4.太陽地球環境情報へのニーズと効果的アウトリーチ 市民観測者、教育・報道関係者が求める情報 研究機関・研究者が提供できる情報 5.総合討論 -------------------------------------------------------------------- 期待される成果 太陽地球環境の最新研究成果に関する知識を共有することで、市民観測者 が太陽地球環境現象に関する観測を始め、近い将来の市販機材による多地点 観測網の形成や、大学・研究機関研究者との共同による観測・研究に発展す ることが期待される。さらに教育・報道関係者との情報共有により当該分野 科学関心層の裾野を広げ、太陽地球環境に関する研究分野の効果的なパブリ ック・アウトリーチ活動へのフィードバックも期待される。 -------------------------------------------------------------------- |