インフラサウンドの観測と防災への活用

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 インフラサウンド(超低周波音)は、人が聞き取れないほど低周波の音(重低音)のことです。バイオリンとコントラバスの違いのように大きい楽器ほど低音を奏でることができますが、これと同じように考えれば、巨大な物体(面)が動くとインフラサウンドが発生し、より大きい物体が動くほど、より低周波の音(圧力振動)を発生させます。音には低周波ほど遠くまで伝わるという性質があり、遠方を計測する手段(リモートセンシング手法)となります。災害を引き起こす自然現象は急激かつ巨大な変動を伴うため、防災への活用が期待できると言えます。
 私たちは、特に津波防災への活用に重点を置き、インフラサウンドの研究を進めてきました。平成18年度以降に科学技術振興機構(JST)の研究費助成を得てセンサーの独自開発を行い、平成28年度以降にはセコム科学技術振興財団や文部科学省(科研費)から支援を得て高知県内にセンサーを整備、現在は自治体や地域住民の皆様にも協力を頂きつつ県内15カ所で観測を行っています。
 平成29年度には、本学総合研究所にインフラサウンド研究室が発足し、平成30年度には県外にも北海道から九州まで計15地点の規模まで観測点を拡充しました。これまでに、北海道大学、北海道情報大学、苫小牧高専、東京大学・地震研究所、日本気象協会、国立極地研究所、金沢大学、名古屋大学、京都産業大学、九州大学、株式会社サヤ、株式会社数理設計研究所、オサシ・テクノス株式会社等とも協力しつつインフラサウンド観測に関わる装置開発や関連する理工学研究を進めています。

 高知工科大学インフラサウンド観測ネットワーク